帝人は、ゼネラルモーターズ(GM)と、量産型
自動車向けに熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)製品を共同開発すると発表した。
両社は、帝人の技術を活用し、今後GMが世界で市場展開する乗用車、トラック、クロスオーバーなどの量産車に向けて共同で、熱可塑性CFRPの製品開発を行うことで合意し、契約を締結した。
量産型
自動車への熱可塑性CFRP量産技術の導入は、世界で初めてとなる。
今回、帝人が世界に先駆けて開発した、熱可塑性CFRPを1分以内で成形する量産技術を活用する。
炭素繊維は、通常の鉄に比べて10倍の強度と4分の1の軽さを有するため、熱可塑性CFRPが車両の部品に使用されることで、車両の軽量化や燃費効率の向上、従来型の車両と同等の安全性が期待されている。
両社の共同開発により、GMは、主力車種に熱可塑性CFRPを組み合わせた(コンポジット)製品を導入するポテンシャルを得ることになる。
一方、帝人は、これまで一部の高級車などに限られてきたCFRPの用途を量産車へと拡大することで、CFRP製コンポジット製品による量産車の大幅な軽量化や構造骨格材としての採用の加速させていく考えだ。
本提携により、帝人は共同開発の場として、複合材料の用途開発機能とマーケティング機能を集約した「Teijin Composites Application Center」(TCAC=帝人複合材料用途開発センター)を、来年早々にも米国北東部に設置する。
世界的に環境規制の強化が進む中、
自動車では燃費効率のさらなる向上に向けて、軽量化に対する要求が高まっている。
そこで、従来の金属に代わる軽量部材として、CFRPが注目されているが、従来の熱硬化性樹脂を用いたCFRP製造技術は、その成形に要する時間や生産性の面から、量産車向けの部品として課題があった。
そのため、量産車向けの部品製造技術を実現するものとして、1分前後での成形が可能なCFRP製造技術が求められていた。
世界初の熱可塑性CFRP量産技術は、今年3月に、帝人複合材料開発センターと炭素繊維・複合材料事業の中核会社である東邦テナックスとの連携により確立したもので、化学業界の有力専門誌である英国「ICIS」主催の「ICIS Innovation Awards 2011」で大賞および部門賞を受賞するなど、世界の各方面で高く評価されている。
CFRPは、航空機・宇宙分野をはじめ、風力発電の羽根や
自動車といった一般産業分野まで使用されているが、省エネ、CO2排出量削減に対応できる有力な素材として、さらなる需要の拡大が見込まれている。